aHUSの治療―エクリズマブ

日本では2013年9月に、補体の終末経路活性化阻害作用を持つエクリズマブの適応症として、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)が追加されました1

エクリズマブは、補体C5に結合することにより、
C5からC5aとC5bへの分解を阻害し、C5aとMACの産生を抑制します

エクリズマブによる補体の終末経路の活性化阻害

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aHUSの治療では、血漿療法の施行のほかに、エクリズマブによる治療が行われます<治療の概要> 。
aHUSの内皮細胞障害の発症には、補体の終末経路の活性化が重要です。ヒト型リコンビナント・モノクローナル抗体のエクリズマブは、終末経路の補体C5に結合することにより、C5からC5aとC5bへの分解を阻害し、C5aと膜侵襲複合体(membrane attack complex:MAC、C5b-9)の産生を抑制します1
エクリズマブは、元々は発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬として開発され、2007年に欧米で、2010年に日本で承認された薬剤です。そして、難治性aHUSに対してエクリズマブを使用し、劇的に改善した2例が報告された1ことを機に、2011年に米国で、2013年9月に日本で、エクリズマブの適応症にaHUSが追加されました。なお、エクリズマブによる治療が対象となる疾患は補体制御異常によるaHUSであり、二次性TMAに対する使用は現時点では推奨されないので注意が必要です。日本腎臓学会と日本小児科学会からも、二次性TMAに対するエクリズマブの不適切使用について注意喚起がなされています。また、エクリズマブをいつまで投与するかに関しては、十分なコンセンサスがありません。
さらに今後は、遺伝子変異の違いによる治療反応性、長期予後についての報告が待たれます。

  • 1. 難病センター http://www.nanbyou.or.jp/entry/3847
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  • 8. Rother RP, et al. Nat Biotechnol. 2007; 25: 1256-1264. [Published correction appears in Nat Biotechnol. 2007; 25: 1488].
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