aHUSの発症機序―原因遺伝子

非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)発症に関わる、さまざまな遺伝子異常が明らかになっています1

CFHに対する自己抗体産生に関する遺伝子異常や、
凝固系異常に関する遺伝子異常もaHUS発症に関与します

aHUSに関わる遺伝子異常

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aHUS患者さんの約8~10%では、H 因子(complement factor H:CFH)に対する自己抗体が存在することが知られています。この自己抗体はCFH のC 末端を認識し、CFH のC3b への結合を阻害することで、CFH による細胞保護作用を阻止します。
CFH抗体の出現には、CFHとCFH 関連蛋白質(complement factor H Related:CFHR)1~5の遺伝子異常(欠損)が関与していることが分かっています。これらの遺伝子異常によりCFH に対する抗体が出現してCFHの機能を阻害すると考えられています。特にCFHR遺伝子欠損によりCFH抗体が出現したaHUSは、DEAP-HUS(DEficiency of CFHR plasma proteins and Autoantibody Positive form of Hemolytic Uremic Syndrome)とも呼ばれています。なかでも、CFHR3-CFHR1 の欠損は、最も頻度の高い異常です。CFHR 領域は、多彩な遺伝子異常が報告されていますが、相同性が高いことから遺伝子検査が困難な領域でもあります。
また最近、血栓性微小血管症(TMA)患者さんにおけるDGKE(diacylglycerol kinase epsilon)、プラスミノーゲンなどの凝固系の制御に関連する因子の異常が報告されています。さらに、C3bやCFHに結合するトロンボモジュリンの異常は、C3bの不活化を低下させることも報告されています。これらの因子は凝固系因子であるため、これまで補体関連aHUSとされていた疾患を、補体関連TMAと凝固関連TMAに分け、トロンボモジュリン、DGKE、プラスミノーゲンが関与するものを凝固関連TMAと呼ぶ分類も提唱されています。しかし、DGKE、プラスミノーゲンによるTMAの発症機序に関してはまだ詳細がわかっておらず、純粋に凝固系異常によるTMA症状なのか、どこまで補体系を介した異常なのかははっきりしていません1

  • 1. 難病情報センター http://www.nanbyou.or.jp/entry/3847
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