aHUSの発症機序―補体の活性化制御

補体系に関連する非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は、第二経路の活性化異常を契機に発症します1

第二経路は常に活性化しており、さまざまな補体系調節蛋白質によって制御されています

aHUSの発症機序

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補体は、3つの異なる経路(古典的経路、レクチン経路、第二経路)により活性化することが知られています。補体系に関連するaHUSは、これらの経路のうち、第二経路の活性化異常により発症します。
第二経路の活性化は、C3がC3aとC3bに分解されることで起こります。分解により生じたC3bが微生物などの細胞膜表面に結合すると、B 因子(complement factor B:CFB)やD因子(complement factor D:CFD)等と反応し、C3転換酵素(C3bBb)を形成します。このC3転換酵素は、さらにC3をC3aとC3bに分解し、生じたC3bと結合してC5転換酵素(C3bBbC3b)となります。
C5転換酵素はC5をC5aとC5bに分解し、生じたC5bがC6-C9と順次反応することで膜侵襲複合体(membrane attack complex:MAC)となり、病原体の溶菌・細胞融解を引き起こします。
C3の分解反応により生じたC3bは極めて反応性の高いチオエステル結合を有するため、病原体だけでなく自己の細胞膜上にも結合してしまいます。C3bの自己細胞への結合は有害であるため、自己細胞上にはH 因子(complement factor H:CFH)、 membrane cofactor protein(MCP、CD46)、トロンボモジュリン等の制御因子が存在し、これらの因子がプロテアーゼであるI 因子(complement factor I:CFI)によるC3bの速やかな分解不活化を促し、補体による細胞傷害から自己細胞を保護しています1

  • 1. 難病情報センター http://www.nanbyou.or.jp/entry/3847
  • 2. Noris M, Mescia F, Remuzzi G. Nat Rev Nephrol. 2012; 8: 622-633.
  • 3. Leban N, Abarrategui-Garrido C, Fariza-Requejo E, et al. Int J Immunogenet. 2012; 39: 110-113.
  • 4. Hirt-Minkowski P, Dickenmann M, Schifferli JA. Nephron Clin Pract. 2010; 114: c219-c235.
  • 5. Loirat C, Noris M, Fremeaux-Bacchi V. Pediatr Nephrol. 2008; 23: 1957-1972.
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